危険なペット様との関係
「ね、武ちゃん。…スーツ、貸してほしいんだけど。」
「は…?スーツ?お前が着るのか?」
「なわけないでしょ。ユウ…じゃなくて、友達に貸すんです〜!」
「あ、そ。…悪いけど無理だな。」
「え?!なんで?」
あまりにもあっさりと断られてしまったあたしは、おもいっきり聞き返す。
だって、すぐに引き下がれないもん!
ここは意地でも貸してもらわなきゃいけない。
武ちゃんに詰め寄って聞き返すと、武ちゃんははぁ〜とため息をついた。
「あのな、俺は今スーツを着てるの。わかる?」
「うん。」
「俺がスーツを2着も3着も持って来てると思うか?」
「思わないけど…家に帰ればあるんじゃないの?」
「それはそうだが…」
う〜んと首を傾げる武ちゃん。
そんなに悩むことないのに。
スーツを家まで取りに帰ればいいんでしょ?
あたしがそう言おうと武ちゃんを見ると、武ちゃんは気まずそうに目を反らした。