危険なペット様との関係
茂みの影にあったのは、大きな段ボールと、その中に入っている少し汚れた毛布。
その毛布があたしの声に反応してもぞっと動いた。
そして顔が覗く。
人…だよね?
生きてる…んだよね?
動いたし。
そこには綺麗な男の人が毛布に包まっていた。
その人はあたしをチラッと見ると、またもや毛布に顔を埋めた。
え?!ちょっ…ど、どうしよう…?!
「あ…あの…」
とりあえず声をかけてみたけれど、返事はない。
無視、ですか?
あっ、でももしかして怪我、してる…?
怪我してて痛すぎて声が出せないとか…
それだったらヤバいじゃん!!
「あ、あの…!!」
今度はさっきよりも強めに声をかける。
すると、毛布の中から小さな声がした。
「──れ」
「え?」
「…誰?」
「あ、あたしは赤羽奈央で……って…そうじゃなくて…!!怪我!!怪我、大丈夫ですかっ?!」
あたしがそう聞くと、その彼は不思議そうに首をかしげた。