危険なペット様との関係
「さて、こちらを先ほどのお客様に運んでいただけますか?」
「あ、はい。」
月舟さんから、綺麗に盛りつけられたフルーツを受け取る。
服と一緒に用意されていた靴のヒールの高さに少しもたつきながら、さっきの人のところまで持っていく。
「お、お客様…お待たせいたしました…」
一応、店員らしいことを言って、恐る恐るフルーツの盛りつけをテーブルに置く。
すると女の人は、チラッとこっちを向いてから、気だるそうにタバコを取り出した。
そしてわざとらしく、あたしに向かって煙を吐く。
「あなた……ここで働いてるの?」
「え?あ、いや…手伝いをしてます。」
「そう。ならいいわ。」
そう言って軽く微笑んだ。
何なんだろ…?
でもそんなことを考える暇もなく、次々とお客さんが来店する。
気づいたら店内の全ての席が埋まっていた。