危険なペット様との関係
「奈央さん。こちらもお願いします。」
「あ、はい。」
月舟さんから、今度は淡いピンク色をした液体の入ったグラスを受け取る。
少し鼻を近付けると、お酒の匂いがした。
きれいな色だな〜…
でもお酒なんだよね。
こぼさないように注意しながら、左のテーブルに座っているお客さんに運ぶ。
ことん、とテーブルにグラスを置くと、すれ違い様に近くに立っていた男の人と目があった。
「…奈央?!」
「へ…?」
な、なんであたしの名前……
暗めの照明でよく顔が見えない。
立ち上がって少しだけ顔を近づけると、暗くてもよくわかる整った顔が見えた。
………ってえぇ?!
「ゆ、ユウ?!」
「お前なんだよその格好?!」
「え?月舟さんが…」
「店長かよ…」
ぽつりと嫌そうな顔をして、ユウが呟いた。