危険なペット様との関係
「…そっか。」
ユウは少しホッとしたように呟いた。
そして、あたしをもう一度強く抱きしめると髪に優しくキスを落とした。
「ところで。
続き…しよっか?」
顔を上げたユウはいつものちょっとだけ意地悪な顔をしていた。
「は…?!し、しないからっ」
「え〜」
「え〜、じゃないっ!」
少しおとなしくなったかと思えば、すぐこれだ。
抱きしめる力が弱くなって、あたしの顔を覗きこむユウからは
さっきまでの言動なんか想像もできない。
ユウがしゅん…と眉を下げて落ち込んだ表情をする。
あの…捨てられてた時と同じ顔。
「やっぱりひいたんだ…?ホストなんかやってる俺とは…」
「ち、違っ…ひいたわけじゃなくて…」
「じゃ、しよ?」
「なんでそうなるの…っ!」
「なんでって………それは」
プルルルルル──♪
ユウが何か言いかけた時。
二人きりの部屋に携帯の着信音が響き渡った。
あたしの…じゃない。
ってことはユウのなんだよね…?
やっぱりユウ、携帯持ってたんだ…
「……チッ」
「っ?!」
鞄から取り出した携帯の画面をみて、舌打ちをしたユウ。
それからものすごく嫌そうに通話ボタンを押した。