危険なペット様との関係
そして今の状況に陥ったのだ。
いくら彼が毛布を被っていたとしても
例え、あたしの耳がとてつもなく悪かったとしても
聞き間違えるはずのない単語が聞こえてきた。
“…拾って?”
拾う、って…
助けて、じゃなくて?
「家が、ない…んだ。」
…きゅん。
まるで、犬か猫が落ち込んだ時に尻尾や耳を垂らすように、しゅん…とうなだれる彼に胸がキュンとなる。
可愛い…
可愛すぎる…!!!
捨て猫…ならぬ、捨て人?なんて聞いたことがないけれど
こんな可愛い生物を、こんな寒い中、置いていくなんてあたしには出来ない。
「拾う!拾います…っ!!」
「ありがとう…」
彼の顔がパアッと晴れる。
そしておもむろに立ち上がった。