危険なペット様との関係
武ちゃんが教科書を捲るたびにふわっ…と心地よい甘い香りがする。
なんの香りだろ…?
「…で、ここを引用して…………おい、聞いてるか?」
「へ?…あ、ごめん。なんだっけ?」
「ったく…もう一回説明するぞ。」
「お願いしまーす。」
それからしばらく、武ちゃんがつきっきりで教えてくれた。
そのおかげもあってか、終わりのころには、一人でもできるようになっていた。
「…よし、今日はここまでにしとくか。」
「やったぁ…っ!」
やっと終わった!!
ぐっと伸びをする。
ルンルン気分で、シャーペンや辞書を片付けていく。
勉強した後がこんなに気持ち良いなんて知らなかったな〜
なんかすごい達成感!
「今日はありがと!じゃ、帰りますっ!」
武ちゃんにそう言って、カバンを持とうと手を伸ばして屈んだ瞬間
目の前からカバンが消えた。