危険なペット様との関係



武ちゃんが教科書を捲るたびにふわっ…と心地よい甘い香りがする。



なんの香りだろ…?



「…で、ここを引用して…………おい、聞いてるか?」


「へ?…あ、ごめん。なんだっけ?」


「ったく…もう一回説明するぞ。」


「お願いしまーす。」



それからしばらく、武ちゃんがつきっきりで教えてくれた。



そのおかげもあってか、終わりのころには、一人でもできるようになっていた。






「…よし、今日はここまでにしとくか。」


「やったぁ…っ!」



やっと終わった!!



ぐっと伸びをする。



ルンルン気分で、シャーペンや辞書を片付けていく。



勉強した後がこんなに気持ち良いなんて知らなかったな〜



なんかすごい達成感!




「今日はありがと!じゃ、帰りますっ!」



武ちゃんにそう言って、カバンを持とうと手を伸ばして屈んだ瞬間



目の前からカバンが消えた。











< 81 / 150 >

この作品をシェア

pagetop