キミと見た空
いきなりわたしに話ふらないでよ!!
でも聞かれたからには答えないと…
「高上です。高上彩…」
………。
「ふん。高上ねぇ」
「どうかしたか、翔さん」
翔さん…っていうんだ、この人。
「どっかで聞いたことあるんだよねぇ、高上って」
「どっかって、どこだよ??」
「えっと…」
もしかしてバレッちゃった??
わたしが財閥の娘ってコト…
実はみんなに内緒にしてるコトがあるんだ、わたし。
世界的に有名な財閥の一つ、高上財閥。
日常品からそうでないものまで、幅広く活躍している。
で、そこの令嬢がわたしってワケ。
でもね、大抵の人は気づかないんだ。
だって、日本にはまだ少ししか進出してないから。
さっきも言ったけど、今は親と離れて暮らしてるし、こっちでは親いないことになってるし。
まさかこの人が気づくなんて、想像もしてなかった。
「まぁいいや。よろしくね、彩ちゃん」