【短編】カワイイ娘の願い事
2.母親のニオイ
家の玄関の前には黒塗りの高級車が2人を待っていた。
白い手袋をはめた運転手がサッと近づいてドアを開ける。年齢は50代後半くらいでリストラされたのを拾われたのかきびきびとした動きでご奉仕する。
後部座席に2人が乗り込み、車は車寄せから緩やかにスタートを切った。
「ちょっと暑い」
亜里沙のひと言で運転手は敏速にエアコンの冷房を効かせた。
「あっ、お母さんのニオイ……」
鼻をクンクンと犬のように動かして亜里沙が顔を歪める。
「おい、すぐとめろ!窓を開けるんだ」
「は、はい」
ご主人の指示を受けて運転手は慌ててエアコンを切り、窓を半分だけ開けた。
白い手袋をはめた運転手がサッと近づいてドアを開ける。年齢は50代後半くらいでリストラされたのを拾われたのかきびきびとした動きでご奉仕する。
後部座席に2人が乗り込み、車は車寄せから緩やかにスタートを切った。
「ちょっと暑い」
亜里沙のひと言で運転手は敏速にエアコンの冷房を効かせた。
「あっ、お母さんのニオイ……」
鼻をクンクンと犬のように動かして亜里沙が顔を歪める。
「おい、すぐとめろ!窓を開けるんだ」
「は、はい」
ご主人の指示を受けて運転手は慌ててエアコンを切り、窓を半分だけ開けた。