【短編】カワイイ娘の願い事
7.2人の秘密
「あれが新しいお母さん?」

 亜里沙が目を細くして尋ねる。


「気に入った?」

 父親は照れくさそうに娘の反応を待った。


「まだ会ったばかりでわかんないよ」


「そうだね。でも嫌いになったらお父さんにはっきり言うんだよ。魔法のようにすぐに消してあげるから」


「前のお母さんみたいに?」


「そうだよ」


「でも、抜け殻は残ってるよ」

 亜里沙は十字架の下で光沢を放つ木目調の棺桶を指差した。


「魂だけ消すのは不満かい?」


「うん、気持ち悪い」

 亜里沙は顔をしかめる。


「わかった今度から魂も体も全部消してあげるよ」


「よかった!」

 亜里沙の弾む声が教会内に響いた。


       <了>
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