ひねくれ双子の険しい恋路


「こっちが梨沙で、こっちが砂希」



即答された。

朝日は、それぞれ指をさして言った。


それは紛れもなく正解だった。





―――嬉しい。


見分けられるってことは、本当のあたし達を見てくれている証拠。


家族以外で、朝日だけは昔から1度だって間違えたことはなかった。



他の人が正解するのは、ただの偶然。


だって、次の日にはもう間違えてる。




「「ぶっぶー。ハズレだよ」」



やっぱり、こんなこと言っちゃう。


もう癖になってた。

偶然で当てられたって、嬉しくない。



だったら。


最初からハズレってことにしておけばいいんだ。




……これは、梨沙と一緒に決めたこと。












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