ひねくれ双子の険しい恋路
『……どうやって』
あたしは冷めた目で一夜に聞いた。
「本気で出たいか?」
『出たいに決まってるでしょ…って、あたしの質問に答えてよ』
お願いだから、人の話を聞いてほしい。
「んじゃこっち来い」
一夜が手招きするから、一応近づいてみる。
――ひょいっ。
『わぁっ』
体が浮いて、床が遠く見える。
『ちょっと、何!?高いって、おろしてよ!!』
急に担がれて焦るあたし。
「ちゃんとつかまってろよ」
一夜が動き出した。
……それは窓の方へ。
え、ちょっと待って。
まさか…。
そんなことないよね?
飛び降りるなんてことないよね?