ひねくれ双子の険しい恋路
「大丈夫だ。そんなに高さないし、下は雑草だらけだから」
『そーいう問題じゃないでしょ!?』
「お前が出たいって言うから。ほら行くぞ」
まさかの本気…!?
『ちょ、待って、ねぇ!』
一夜はもう飛び降り態勢になっていた。
「なんだよ。つかまってねぇと怪我するからな」
一夜はそう言って、片手であたしの体を支えた。
本気だ…。
「行くぞ」
一夜は窓の淵に両足を乗せて、窓につかまっていた。
――もうダメだ。
そう思ったあたしは、必死の思いで一夜にしがみついた。
あたしが怪我したら一夜のせいにしよう。
その瞬間、あたしの体はフワッと浮いてからスピードをつけて下に落ちていく。
『きゃぁぁぁぁっ!!!』