ひねくれ双子の険しい恋路
3.
――ガラガラ…。
もう授業が始まっている教室の扉をあけた。
「神谷さん!!今まで何してたの!?」
数学のうるさいオバサン。
黒板はきれいにまとめるけど、口うるさいから好評ではない。
『すいませーん』
適当にながして席に着いた。
「こらっ!!理由を聞いてるのよ、私は!!」
始まったよ、お説教…。
クラスメイトもうんざりした顔してる。
『私に構っていたら、先生の貴重な授業時間が減っていきますよ?早く授業を続けましょう?』
ニコリと偽スマイルを向ける。
「あらそう?じゃあ授業を続けましょうか」
“先生の貴重な”
って言葉に気分をよくしたみたい。
この人、バカで単純だから扱いやすい。
「砂希、遅かったじゃん」
梨沙が小さな声で話しかけてきた。