ひねくれ双子の険しい恋路
その後の授業は、ほとんど聞いてなかった。
朝からいろんなことがありすぎて疲れたからかも。
そんなこんなで、午前中はずっとボーっとしてた。
気付くと、屋上で梨沙とお昼ご飯を食べていた。
「ちょっと砂希~?最近ボーっとしすぎじゃない?」
『そ、そうかな?』
確かに…。
でも、みんな一夜のせいだ。
一夜と関わるようになって、振り回されっぱなし。
「で?」
『はい?』
「麻生君とは仲直りできたの?」
……。
あ、そうだ。
梨沙には“喧嘩した”って言ったんだった。
『うーん、まぁ一応…』
仲直りというか、口きかなかっただけだし。
今日1週間ぶりくらいにしゃべったなぁ…。
――ガチャッ
屋上の扉が開いた。
梨沙は、扉に背を向けて座っているから誰が入ってきたのか気付かない。