ひねくれ双子の険しい恋路


昔から変わってないその笑顔。


外見は結構変わったけど、そこは変わってなかったんだね。


……だけど。




「「あたし達には、近づかない方がいいよ」」



声が重なるってことは、やっぱり梨沙も同じこと考えてたんだね。



あたし達に関われば、きっと悪い噂立てられる。

悔しいけど、あたし達が悪いんだからしょうがないか。



「は?」


朝日は、意味わかんねぇよ、って顔してた。


「だから、近づくなって言ってるの。ほら、もう行って。入学式も終わったでしょ」


梨沙は、早口で言った。

あたしの言おうとしたことを全部言ってくれた。


「はぁ?言ってる意味がわからないんだけど…」


「いいから行ってよっ!!!」


ついに梨沙は声をあげた。


朝日はそれにびっくりして、不満そうな顔しながらも屋上を出ていった。











< 12 / 392 >

この作品をシェア

pagetop