ひねくれ双子の険しい恋路




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「…き。さき」


『…むぅ』


「『むぅ』じゃねーよ。起きろって」



ゆっくり目を開けると、ぼんやり翔が見えた。



『なんで?』


「母さんに頼まれたんだよ、砂希起こしてこいって。めんどくさいから早く起きて」


『一言余計だっつの』


「起してやったんだからありがたいと思え」



――可愛くないやつ。


昔はもっといい子で可愛かったのに。



あたしはベッドから出て、シャワーするために1階へおりた。





「あら、やっと起きたのね。おはよう」


お母さんが笑ってた。


“やっと”って言うから、時計を見てみると…。


『…9時?』


「疲れてるのかと思って、起さなかったんだけどね?美紗子と約束あるならもうそろそろ時間かなーって」


『うん、ありがと。シャワー浴びてくる。朝ごはんは少しでいいや』






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