ひねくれ双子の険しい恋路




手短にシャワーをして、軽く朝ごはんを食べた。



現在の時刻、9:35。


うん、余裕で間に合うね。



―――……



それからリビングでくつろいでると、


《ピンポーン…》


「はーい」



チャイムが鳴って、お母さんが出た。



「ほら、入って入って!」



お母さんのテンションの高い声が聞こえてきた。


すると、リビングに来たのは



『お姉ちゃん!』



だった。



久しぶりに見るお姉ちゃんは、また綺麗になっていて、ホントに大人って感じがした。



「やっほー。久しぶり、砂希っ!!」



それでやっぱりあたしは抱きしめられる。


お母さんと同じことしてるよ。



「やだー。ちょっと見ない間に可愛くなって~」



お姉ちゃんは、そう言ってあたしの頭をなでた。


『もう、子供扱いしないでよ』


そういいながらも、あたしは笑ってた。




あたしが感情をだせるのは、きっと家族の前だけだと思う。


笑うのも、怒るのも、甘えるのも、全部。




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