ひねくれ双子の険しい恋路



お姉ちゃんの運転する車で、しばらく乗っていると、オシャレなお店に着いた。



『ここ?』


「うん。喫茶店みたいな感じなんだけど、料理がおいしいのよ」


『へぇ~』


お姉ちゃんとあたしは、車を降りて店内に入った。



そして、店員さんの案内に従って、席に座る。


「私、アイスコーヒーとシーフードぺペロンチーノで」


『あたしは……。ベーコンと夏野菜のクリームパスタ』


「かしこまりました」



それぞれの注文をとって、店員さんは素早く戻っていった。



「ねぇ砂希。まじめな話していい?」


お姉ちゃんがいきなり切り出した。


『え、いいけど…何?』


「翔から聞いたんだけど、梨沙と朝日付き合ってるってホント?」


『うん、ホント……っていうか、いつ聞いたの?」



お姉ちゃんは今日家に帰ってきて、少し話してからすぐ家を出たから、翔と話すことなんてなかったはず…。



「昨日お母さんに電話したの、今日砂希と出かけることを。その時に、ちょっと翔に代わってもらってね」



なるほど。


そういえば昨日は夕飯を食べてからすぐに寝たから、1階の様子は分からないんだった。



『やっと思いが通じたんだよ、あの2人。よかったよね』



そう、祝福しなきゃなんだからね。


それなのに、お姉ちゃんはあんまり嬉しそうじゃなかった。


『どーしたの?』




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