ひねくれ双子の険しい恋路
「きっぱりフられておいで。内にため込んで苦しむより、フられて泣いた方がスッキリするよ、絶対」
お姉ちゃんは、また優しく笑ってくれた。
『…別に泣かないし』
そんなお姉ちゃんから目をそらして小さな声で言った。
優しくされるのにはあまり慣れてなくて、照れくさかったから。
「そっか。それでね?」
まだ何かあるの?
と思って、お姉ちゃんと目を合わせた。
「新しい恋をするのよ♪」
『……ん?』
「新しい恋、だよ。気持ちの整理ができれば、また人を好きになれるから、きっと」
……新しい、恋。
「もしかしたらもう身近にいたりしてね」
『え!?』
「なーんて…」
悪戯っぽく笑ったお姉ちゃんは、いつの間にか少なくなっていたパスタを全部食べた。
あたしもつられて、残りを全部食べた。