ひねくれ双子の険しい恋路
2.
朝日は、あたし達の事をちゃんと見ていてくれた。
2人、じゃなくて、1人1人。
明るくて面白くて、クラスの人気者だった朝日。
そうやって、気付けば目で追うようになってた。
ちょっとした優しさとか笑顔に、ドキッとするようになった。
これは、恋なんだとすぐに気付いた。
あたしは朝日のことが好きなんだ。
そう自覚した瞬間、頭に浮かんだのは梨沙のこと。
あたし達は双子。
そっくりな双子。
考えてること、好きなもの、全部一緒。
「ねえ砂希」
『なにー?』
「あのさ……」
『なに、どうしたの?』
「……砂希は、朝日の事……どう思う?」