ひねくれ双子の険しい恋路
――プシュー…。
電車を降りたあたしは、バス停へ行きバスに乗る。
窓の外は、いろんな店の光で輝いていた。
この辺の夜は、いつもそんな感じ。
――バスに乗ってから、30分。
寮に着いた。
スタスタと歩いて、女子寮のあたしの部屋へ。
『あれ…?』
1つだけ電気ついてる部屋が。
もう11時すぎてるのに…。
女子寮の入り口の前にある門には、鍵がかかっていた。
あたしは、少ない荷物を門の向こうに投げた。
それから門をのぼって、飛び降りた。
『よし』
門が閉まってるということは、当然入口もしまってる。
10:30で全部の鍵が閉められる。
でも、あたしの部屋は1階。
金曜日に部屋を出る時、帰りが遅くなってもいいように部屋の窓のカギを開けて行った。
予測通り、遅くなった。
部屋に近づいていくと、電気がついていた。
1つだけ電気がついてる部屋は、あたしの部屋だったのか。
カラカラ…。
梨沙は窓を構わなかったらしく、鍵は開いたままだった。
『よいしょっと』
窓から部屋に入ると、テーブルに突っ伏して寝ている梨沙がいた。