ひねくれ双子の険しい恋路


『じゃ、朝日迎えに行こっか』


「うん!」



普段のあたしだったら、こんなこと言わない。


“迎えに行っておいで”


って言って、梨沙を1人で行かせる。


2人の邪魔になるようなことはすすんでやらない。



だけどね、梨沙――…。





「「朝日ー。迎えに来たよー」」


「お!?」


朝日は驚いてた。

朝日はいつも迎えに行く側だからね。



そして、3人で学校へ。


じゃなかった。


4人だった。



朝日の隣には一夜がいる。



コイツのこと忘れてた。


一夜とは、あの日以来。

あたしが梨沙に言い逃げした日。


「よ」

『おはよ』


挨拶くらいはしてあげる。


一夜の言葉で、初めて梨沙にぶつかっていけたのかもしれないから。




< 143 / 392 >

この作品をシェア

pagetop