ひねくれ双子の険しい恋路
『じゃ、朝日迎えに行こっか』
「うん!」
普段のあたしだったら、こんなこと言わない。
“迎えに行っておいで”
って言って、梨沙を1人で行かせる。
2人の邪魔になるようなことはすすんでやらない。
だけどね、梨沙――…。
「「朝日ー。迎えに来たよー」」
「お!?」
朝日は驚いてた。
朝日はいつも迎えに行く側だからね。
そして、3人で学校へ。
じゃなかった。
4人だった。
朝日の隣には一夜がいる。
コイツのこと忘れてた。
一夜とは、あの日以来。
あたしが梨沙に言い逃げした日。
「よ」
『おはよ』
挨拶くらいはしてあげる。
一夜の言葉で、初めて梨沙にぶつかっていけたのかもしれないから。