ひねくれ双子の険しい恋路


「で、何?話って」


『うん。真剣な話だから、ちゃんときいてね』


「お、おう」



真剣な顔のあたしに、朝日はすこし緊張してるみたいだった。




あたしはすこし息を吸って、朝日の目を見た。




『あたしね、朝日の事好きだったんだ』




よし、言えた。


朝日、早くなんか言って…。

時間ないんだから…。



「ごめん…。俺梨沙の事が…」


『うん、知ってる。“だった”って言ったじゃん』


「あぁ…」


朝日はすごい切なそうな顔してる。


ごめん、朝日。

そんな顔させるために言ったんじゃないの。



『梨沙と朝日が付き合ったから、あたしは引いた。でもスッキリしないから、今朝日に伝えて終わろうと思って』



ニコッと笑うあたし。

そんなあたしを見て、まだ切なそうな顔の朝日。



「俺…砂希の気持ち考えないで梨沙の事かなり話してた…。ホントごめん…」



――その気持ちだけでいい。


そうやって、自分責めないでよ。



『じゃあさ、あたしのお願い聞いてくれない?』



あと1分。



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