ひねくれ双子の険しい恋路
『じゃ、決まりね!戻ろ、朝日』
あたしは、後ろにチラッと振り返る。
そして、挑発的な目で梨沙を見た。
それからあたしは歩き始める。
腕を組んでるから、自動的に朝日も歩く。
――グッ!
『あれ?』
朝日の動きが急に止まって、思わず声が出ちゃったあたし。
…朝日を止めたのは、梨沙だった。
朝日の腕を組んでないほうの腕を引っ張って、顔真っ赤にしてた。
「朝日はあたしの、か、彼氏だから、いくら砂希でも渡せない。朝日、行かないで…」
梨沙は涙目で、必死だった。
――よかった。
賭けは成功した。
あたしは、朝日の腕を離した。
『それでいいんだよ、梨沙』
「え…?」
梨沙はあたしを見た。
朝日も見てた。
『朝日、ごめんね。付き合わせちゃって』
「あ、あぁ」
あたしは、こんなことをした理由を話すことにした。