ひねくれ双子の険しい恋路
「お前らって似てねーよな」
『え?』
朝日の近くにいた一夜があたしに言った。
「外見そっくりだけど、中身は全然違う」
『うん、全然違うよ』
「簡単に見分けられるのにな」
『そーだね』
一夜と交わす言葉の数が増えた気がする。
あたしのなかにある、一夜への警戒が少し解けたのかも知れない。
この人は、欲しい言葉をくれる。
「一夜、砂希ー?何してんだー?置いてくぞー」
朝日と梨沙は、もう歩き始めていた。
『はーい』
あたしと一夜も、歩き始めた。
中等部じゃ、こんな光景ありえなかった。
梨沙以外に一緒に登校するなんてずっとないと思ってたし。
でも、案外悪くないかなー……。