ひねくれ双子の険しい恋路
「はい、これでLHRおしまーい。先生急いでるからそのままかいさーん」
とか言って、先生は急いで教室を出て行った。
クラスの生徒たちは、騒がしくなる。
梨沙に頼まれたことをするため、一夜を目で追っていると、廊下に出た。
サボるなら、追いついてから聞けるんだけど…。
廊下であたしから話しかけるのはなぁ…。
すると、あたしの前を歩いていた一夜が、クルっと向きを変えてこっちに近寄ってきた。
え、なに…?
サボるのやめにしたの?
一夜は、あたしの目の前で止まった。
そして、あたしより大きな身長であたしを見下ろした。
「なんか用か、砂希」
そして、ニヤっと笑う。
『な…なんで…?』
気付かれたことに動揺を隠せなかったあたし。
「お前、ずっとこっち見ながらついてくるし」
『いや、それは…ね?』
あー、もう…。
ほらもう始まってるよ、女子のコソコソ話ってヤツ。
別にそんなのはどーでもいいんだけど、一夜の表情にイライラする。
「なんだよハッキリしねーな」
一夜はそういって、あたしをバカにするようにクスッと笑った。
だからそれがムカつくんだってば。