ひねくれ双子の険しい恋路


『…聞きたいことある』


小声で言ったあたし。

普段あたしの方から会話を持ちかけるなんてことないし。



「なに」


『麻生静夜とどんな関係なの?』



……一夜のムカつく表情が、一瞬凍った。



やっぱりなんかある。


でも、すぐに元に戻った。



「どんなって…。付き合ってたら気持ち悪いだろ」


『はぁ!?そういうことじゃなくて…』



ハッとして、声のボリュームをさげた。


意外すぎる答えにびっくりして、大きな声を出した自分が恥ずかしい。



「なに。俺に興味持ったの」


『な…わけないでしょ。梨沙に聞いてこいって言われたの』


「ふーん」


一夜はあたしのことをじーっと見下ろす。

あたしはそれに対抗して、一夜をじーっと見上げた。(睨みつけるように)





「あいつは双子の兄貴」




一夜は、そうつぶやいた。




< 160 / 392 >

この作品をシェア

pagetop