ひねくれ双子の険しい恋路
『え…双子?』
「そう。双子。二卵性だからそこまで似てねぇよ」
『へぇ…』
でも、ちゃんと見れば結構似てるかも。
だから初めて見たとき、どこかで見たことあるような感覚だったのか。
「もうすぐ授業始まるから戻るぞ」
『あ…うん』
サボらないんだ。
意外。
それから教室に戻って時計を確かめると、授業開始までにまだ2分ある。
そして、とてつもなくうるさい。
麻生静夜の周りを、女子が囲んでる。
“どこからきたの?”
“彼女いるの?”
“好きなものなぁに?”
“日曜日遊ばない?”
どうしてそこまで知りたがるのか理解できない。
…したくもない。
席に座ると、隣に梨沙も座ってた。
まるであたしを待っていたかのように。
「お帰り、砂希。で、なんだって?」
『ハイハイ…』