ひねくれ双子の険しい恋路



――ガチャ


あたしは屋上の扉を開けた。

サボるなら、屋上が一番気持ちいい。



「あぁ~イライラする!!何あの男!」



屋上に出るなりすぐに怒りだす梨沙。


――うん、同感だよ。梨沙。



『あそこまでしつこい男初めて』


「いくら冷たくしても離れないしさー!!」




――ガチャッ


突然屋上の扉がもう1度開いた。



誰…?


梨沙とあたしは振り向いた。


その瞬間、梨沙が声をあげる。


「朝日!?」


「梨沙。やっぱここだよな」


朝日は優しい笑顔を梨沙に向ける。



「イチャつくまえに早く進めバカ」

「おわっ」


朝日の後ろにいたらしい一夜が、朝日の背中を蹴った。



「「2人して何しに来たの?」」


「「サボり」」



朝日と一夜は、あたしと梨沙のようにハモった。




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