ひねくれ双子の険しい恋路
2.
――麻生静夜、一夜の双子の兄が転入してきてから1日が経った。
パカ。
あたしは「2-A-20」と書いてある自分の下駄箱をあけた。
梨沙は隣で「2-A-21」の下駄箱をあけていた。
『梨沙、あった?』
あたしは自分の内履きを出しながら言った。
「うん…2つ」
梨沙の手には紙切れが2枚。
『はーい回収』
梨沙の手から2通の手紙をスッと取り上げた。
「ホントにいいの…?」
『いーのいーの』
あたしは歩きながら手紙をひらいた。
「砂希、それも?」
『ん?あ、そうそう』
あたしは、梨沙の所に入ってた手紙2枚ともう1枚の手紙を持っていた。
これはあたしの所に入っていたヤツだ。
合計すると、3枚。
――結果。
全部女子からのお呼び出し。
昼休み、体育館倉庫で。
体育館倉庫は校舎から遠くて、目立たないところにあるから、告白やら呼び出しにはよく使われる。
でも、そのおかげで一気に片付けられる。
「ねぇ、最近多くない?」
『そーいう時もあるんじゃない?』
梨沙には「女子からの呼び出し」とは言ってない。
全部告白の手紙だと、嘘をついたまま。