ひねくれ双子の険しい恋路
『え、ちょっと何?』
いつの間にか1年4人に押さえつけられてる状態。
「まぁ黙っててよ」
「動かないでよね」
待て待て。
動かないでよねって言われても、動けないんですけど。
女子4人集まれば男1人分くらいの力はあるかもしれない…。
「先パーイ。コイツムカつきません?」
「うん、すっごいムカつく」
「じゃあ、あたしら押さえてるんでどうぞ」
「マジ?気がきくじゃん1年」
……はい?
なんで話が勝手に進んでんの?
“どうぞ”って何をだよ。
「グーとパーだったらどっちが痛いと思う?」
突然2年女子に問いかけられる。
『じゃんけんだったら当然パーのが勝ちますよね』
しらばくれてみる。
本当は何のことか分かってるけど。
「…ははっ。アンタやっぱムカつくわ」
『そうですか。わかったのでとりあえず離してくれません?』
あたしの目的は教室へ戻ることなんだけどな。
「…。じゃーあたしグーでやるからエリカはパーでやりなよ」
「おっけぇ~」
2年の2人は笑いながら話してたけど、目が怒ってるっていうか…。