ひねくれ双子の険しい恋路
「おい」
一夜は2年の手を離して、あたしの周りにくっついてる1年に目を向けた。
「「ハイっ」」
びくびくしながら声をそろえて返事をした1年。
同学年なのに、上下関係のようだった。
「早く砂希離せよ」
一夜のその一言で、パッと体が軽くなった。
――グイっ
あたしは一夜に引き寄せられて、女子から離れた。
「俺らに関わるな」
「「……」」
しゃべらなくなった女子たち。
さっきの威勢はどこにいったのやら…。
「行くぞ」
『あ、うん』
女子を残して歩き出した一夜に慌てて追いかけた。
チラッと後ろを振り返ってみると、後ろの女子たちはみんな突っ立ったまんまだった。
一夜のほんの少しの言葉で、こんなに静かになるなんて…。
あたしも驚いたけど、とりあえず付いていくことにした。