ひねくれ双子の険しい恋路
これは……梨沙のゲーム音だ。
バンッバンッ
そこまで音量は大きいわけじゃないけど、前後左右の人くらいにははっきり聞こえる。
『…倒せた?』
「まだぁ。なにこれ、どうすればいいの!?」
音の正体は、梨沙の持つゲーム機から。
『全員のレベルあげれば?』
「……めんどくさい」
『だから勝てないんだよー。今いくつ?』
今、一応授業中ではある。
クラスメイトは、誰も何も言わない。
中等部の時からそうだったからね。
「平均して30くらい?」
『あたしがそれと戦った時は40はあったな』
「……頑張る。」
梨沙は必死。
『梨沙、今週の課題終わってるんだよね?』
「もちろん。あっ1人やられた!!砂希は数学終わってんの?」
『当たり前。2限だし』