ひねくれ双子の険しい恋路
第6章
1.
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――
ガラッ
「待ってたよ」
昨日の空き教室の扉をあけると、麻生がニコニコ…いやニヤニヤして待っていた。
それとは対照的に、あたしは不機嫌。
『…本当に1日でやったんだ』
「当たり前」
『どんな手つかったのよ』
「普通に話しただけだよ、この口で」
麻生はそう言って自分の口を指した。
『口…?』
「俺、口だけは上手い自信あるんだ。誰よりも…一夜よりも…」
『あっそう』
あたしは軽く流したけど、なんでここに一夜の名前?
どうして一夜と比べてんの?
「さて、本当にやってみせましたけど、どうする?」
『は?』
「一夜や朝日から友達が離れて行くところ見せてあげるよ」
……。
そういえばそんなこと言ってたっけ…。
『なんでそんなことするの』
あたしはそんなこと望んでない。