ひねくれ双子の険しい恋路
『……』
ダメだ理解できない、この男。
『なんで』
「楽しそうだから」
『楽しくなんかない』
「俺がたのしいから」
最低。
何コイツ、最低。
「俺はこの口を上手く使って、クラスから学年まで操ってやるよ」
信じられないけど、見せられた。
1日で信頼を取り戻すあの実験。
コイツならやりかねない。
コイツの目の笑ってない笑顔が、妙に危険だと感じた。
「あとさー、神谷ってもう1人の双子に呼び出しこと隠してるよね」
『……』
「それ、バラしちゃおっかなー」
『!?』
な、に考えてんのコイツ…。
『…何が目的なの』
「俺は楽しいことがしたいんだー」
違う、絶対なんか考えてる。
でも、分からない――…。
『……どうしたらやめてくれるの』
こんな事言いたくなかった。
負けてるみたいで悔しかった。