ひねくれ双子の険しい恋路
「だーかーら、俺と付き合ってって言ってんじゃん♪」
そういう意味だったんだ…。
『ムリ』
こんなやつと付き合うなんてありえない。
だいたい、好きでもないのに付き合えるかっての。
「俺はそれでも構わないけど、神谷の周りの人がどうなるかは神谷にかかってるって話」
またニヤッと笑う。
「さーて、どうする?」
『……っ』
あたしには1つの選択肢しかないこと知ってるくせに…。
『あたしがアンタと付き合ったら、本当に梨沙達には何もしないって約束してくれるんだね?』
「もちろん♪」
みんなあたしの心配をしてくれた。
隠し事してて、性格の悪いあたしなんかを…。
あそこはあたしの居場所。
家以外で見つけた、あたしの大切な場所。
絶対に壊させない。
悲しい思いなんかさせない。
あたしがコイツと付き合うだけでいいなら話は早い。
『――いいよ。付き合う』