ひねくれ双子の険しい恋路



……いや、それは考えすぎだな、きっと。




――いつの間にか着いていた教室。


ガラッ。


「あ、砂希!お帰り」


1番に梨沙が出迎えてくれた。

その近くに、朝日と一夜がいた。



『…ただいま』



いつもと変わらないその場所で、いつもの人たちがあたしを待っていてくれた。


なんだか少し嬉しかった。



「もーすぐ1限始まるから戻るなー」


朝日はそう言って、一夜と自分の席に戻って行った。



女子の目は相変わらずだけど、朝日と一夜は一緒に居てくれる。

女子の目に気付いてるのか、気付いてないのかは、わからないけど。


――少なくとも、一夜は気付いてるよね。



一夜は前の呼び出しでピンチの時、助けてくれた。


それなのに、謝った。

“悪かったな”

って。


一夜は何考えてんのか全然理解できないけど、その頭の中でいろんなこと考えてるんだって分かった。


だけど、

“アイツに近づくな”

って言った一夜はなんだか様子がおかしかった。


――ガタ。


あたしはゆっくり席に着いた。


でも、とりあえず、今日の呼び出し分を終わらせなきゃ。


あたしは机の中にある手紙の内容を読んだ。


あたしの昼休みはいつも削られる。

それでも、あたしが選んだことだからしょうがない。




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