ひねくれ双子の険しい恋路
『……お帰りー』
「ただいまー…って、砂希!?」
『ハイ』
梨沙は落ち着きがない。
あたしは表向き冷静だけど、内心焦ってるんだよね、ホントは。
「ちょっとどういうこと!?」
『いや、そのー、ね?』
「電話と電源切っちゃうし、渋々授業出てノートは取っといたけど、砂希のこと気になるし…」
授業は出てくれたんだ。
あとでノート借りよっと。
『あ、じゃあ後でノート貸して』
「うん、いーよ。…じゃなくって!聞きたいことたくさんあるのに!!」
『うん…』
うまいこと流されてはくれなかった。
「で、具合はどうなの!?」
あれ、あの熱のこと信じてた?
『うーん、まぁまぁ。今日寝てたし、明日は行けるかな』
もうホントに熱あった事にしとこう。
ごめん、梨沙。
「ならいいけど。で、1番聞きたいのは麻生静夜との事!」
うわ、きたよ…。
『えーっと、あたしこれから寝るので、また後日』
今は寝起きで頭がうまく働いてくれないから、逃げる。
「……じゃあ明日の朝早く行くから付き合ってよね」
『はいはい、じゃあ明日起こしてね』
あたしは歯磨きをして、完璧に寝る体制に入る。
めんどくさいから明日の朝シャワーしよ。
「「おやすみ」」
あたしは2段ベッドのはしごをのぼった。