ひねくれ双子の険しい恋路
「“じゃ今から迎えに行くわ”って朝日くんにメールしたら、お前の行動力は砂希似だなって言われた」
『……ふっ。そうだよ、翔はあたしに似たんだよ』
――今日、初めて笑った。
「その後に、
“梨沙には俺がいるけど、砂希は今1人だから…”
って寂しそうな顔してた」
『……ふーん』
なんで朝日があたしのこと気にしてんの…。
…あたしより梨沙の心配しろよ。
「俺ここまで父さんの車で来たんだけど、父さん今日仕事だから帰りは電車で帰ってこいって」
『あ、うん。あたしわかるから』
玄関で靴を履き替えて、翔と一緒に学校を出た。
『駅までバスね』
「俺歩きたい」
……なんで?
翔ってすごいめんどくさがり屋じゃなかったっけ?
「この町来たの初めてだし、駅まで案内してよ」
『いいけど……ちょっと遠いよ?』
「別にいい」
あたしたちは、校門から出て駅へ向かい歩いた。
通勤・通学ラッシュも終わった時間帯で、人はかなり少なかった。
「で、梨沙に何したわけ?」
あたしより少しだけ前に歩いてる翔が振り返った。
翔は、呆れたように笑ってた。