ひねくれ双子の険しい恋路
「お前らさ、……いつもあんな感じなのか?」
朝日は、心配そうな顔をしてた。
“あんな感じ”っていうのは、さっきの授業のことだとすぐにわかった。
「「うん、そーだよ」」
「なんで…」
「「別に」」
朝日の言葉にそっけなく答える。
『大丈夫だよ。課題は常に完璧、成績だって1回も落としてない』
朝日は黙ったけど、納得いかないような表情だった。
そして、あたしの隣にいる梨沙は、無表情のまま何も言わない。
『心配しないで。もう行って』
「……なんで2人は俺を遠ざけるんだ?」
朝日の言葉に、梨沙は顔をそむけた。
わかるわけないよね、朝日には。
朝日は、言葉にしないとと何もわからない鈍感なとこあるから。
でも、純粋で、みんなに平等で、いいヤツって昔から言われてた。
そんな朝日を、綺麗な心の朝日を汚したくない。
今だって、周りの人からすごい痛い視線感じてるんだから。