ひねくれ双子の険しい恋路
「家族って、支え合って行くもんでしょ」
『でも頼りすぎるのも…』
悪い気がする。
「楽しいのも悲しいのも共有するだろ」
『……うん』
翔の言葉はなぜか説得力があって、
“頼ってもいいんだ”
って思った。
「じゃ、月曜日頑張れよ」
『うん』
――姉に対して偉そうじゃない?
っていつもなら言うところを、今日は飲み込んだ。
まずは…。
「砂希?」
『ちゃんと向きあうよ』
あたしは携帯の電話帳を開いて、梨沙の番号にかけた。
プルルルル……
――プツッ
<もしもし、砂希!?>
梨沙は1コールで出た。
喧嘩したって、ギクシャクしたって、梨沙は人のこと無視できない性格だって知ってる。
『あたし今家に居るの。梨沙も帰ってきて。じゃ』
――ブツッ
携帯画面に映ってた通話時間は、
わずか2秒だった。