ひねくれ双子の険しい恋路


『痛かった?』


梨沙に問いかける。


「い、痛かった……」


梨沙は、予想外のことについていけずにボーっとあたしを見てるだけだった。


『じゃ、これでおしまいって言うことで』


「……痛いんだけど」


『だって加減してないもん』



……………。



ちょっとの静寂。



「「ぷっ」」


あたしと梨沙は顔を合わせて吹き出した。


「「あははははっ!!」」


途端に、笑いの嵐。

どこかのネジが外れたような。


翔は混乱した表情。

いつもすましててクールな翔のこんな顔見たの久しぶりだなぁ。


結構レアかも。


「「あはははは!!」」


いろんなことが混ざって、笑いが止まらない。


――あたしも、梨沙も。


床をバンバン叩いて、お腹押さえながら転げまわって笑った。


「あはは、もうダメ、お腹痛い、あはははッ!!」

『はー…梨沙笑わないでよ、つられるじゃん!!あははっ』


笑いすぎてお腹が痛い

笑いすぎて涙もでてきた


その横で、翔が混乱してる。


こんなに笑ったの、何年ぶりだろう。

もしかしたら初めてかも。



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