ひねくれ双子の険しい恋路
――グイッ
机の山に態勢を崩した麻生の胸ぐらをもう一度つかんだ一夜。
――ドッ、ガタガタッ!!
一夜が…また殴った…。
麻生はまた後ろの机の中に突っ込んだ。
「ってぇ」
すごく痛そうな麻生。
それを冷たい目で見る一夜。
何か…。
たぶんだけど、
麻生はまた一夜を挑発する。
一夜はそれをまた殴る。
「なんか言えよ、一夜。ただ殴られてる俺ってどうなの」
麻生は笑ってるけど、口から血が出て頬は赤くなっている。
一夜の右手も真っ赤になっていた。
これ、止めないと大変なことになるんじゃ…。
とか思ってる間に、一夜はまた麻生に近づいていく。
『一夜!』
呼んでみたけど、一夜の足は止まらない。
そしてその手はまた麻生の方へ。
『もう止めて、ストップ、ストップ!!』
一夜に後ろから抱きつく形で止めることになったけど、今は恥ずかしがってる場合じゃない。
一夜は振り返って、やっとあたしを見た。
『これ以上はダメ』