ひねくれ双子の険しい恋路


なんで、今なんだろう。

どうして、今気付いたんだろう。


つい、あたしの腕にも力が入った。

ガーっと体温が上がった。



静夜に名前を呼ばれた時の違和感

一夜に名前を呼ばれた時の安心感


一夜の笑顔が嬉しく感じたのも

一夜の体温が本当は心地いいのも


全部、つながってた。


…1つの原因に。




“新しい恋をするのよ”


ふと、いつかのお姉ちゃんの言葉を思い出した。


“もう身近にいたりしてね”


お姉ちゃんは、予言者なのかも。

ここまで来ると、疑っちゃうよ。



朝日の事がふっきれたのは、

ちゃんと気持ちを伝えきったから。

梨沙と幸せそうに笑ってたから。


……一夜がいたから。


一夜は、きっとあたしの背中を押してくれてた。


あたしが気付かないくらい、そっと。



このあったかい気持ち、知ってる。




――好き。



一夜が、好き。






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