ひねくれ双子の険しい恋路
第8章

1.



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10月。

暑い暑夏が終わり、季節は秋へ。



夏、あたしは自分の気持ちに気付いた。


―――また、人を好きになれた。


でも。


また、思いを消さなくちゃいけない時がくるかもしれない。


一夜とあたしの思いが一緒だという可能性の方が低いに決まってる。



梨沙は信用できた。
2人は笑ってた。

一夜がいてくれた。

だから諦めついた。


じゃあ一夜を諦めなきゃいけない時はどうすればいいんだろう。



「さーき」


『え、』

「何怖い顔してんの?次移動教室だけど」

『あ、ごめんごめん』



……甘ったれてる。


誰かに頼るなんてあたしらしくない。


…一夜が側に居ることが当たり前になってる。


――弱くなった?、あたし。


「ほーら、行くよ」

『あ、はいはい』


時計を見る。

まだ5分もあるじゃん。




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