ひねくれ双子の険しい恋路
次は体育。
何やるかは覚えてない。
でも、今日体育担当の教師が休みなのは朝担任から聞いた。
自習だろうな。
んで、見張りの先生が来る…みたいな。
――バサバサバサッ
「きゃッ…あぁー!!」
何かと思って前を向いた。
すると、あたしと梨沙の少し先の廊下に、たくさんのノートを持っていた女子がいた。
見事に崩れて廊下一面ノートだらけ。
顔を赤くしながら拾い始めた、メガネの黒髪(肩につくくらい)ストレートの女子。
なんか、いかにも真面目そうな…。
あーあ、かわいそうに。
周りの人もクスクス笑ってるだけで手伝わない。
まぁ、こんなもんだよね。
――スッ
隣から、気配が消えた。
と、思ったら梨沙が黒髪メガネさんの所にかけよっていた。
「え、か、神谷さん…!?」
「これ、どこまで」
「えっと、1-A教室まで…」
梨沙は、黒髪メガネさんがもともと持っていた半分くらいのノートをささっと拾い集めて立ち上がった。
「砂希、ちょっと待ってて」
『うん……』
あたしと梨沙はさっき教室を出たばかりだから、教室まではそう遠くなかった。
だから、梨沙は駆け足ですぐ戻ってきた。