ひねくれ双子の険しい恋路
なんか……。
『違うね』
「なにが?」
『やっぱ、いくら似てても性格は違うんだなって思って』
梨沙って昔から優しい。
それは今も変わってなかった。
さっきの黒髪メガネさんのところにスッと駆け寄って助けたのは梨沙。
それを見てただけなのはあたし。
こういうとこで性格の差って出るんだなぁー……。
「……うん、そうかもね」
そう言った梨沙の声は少し曇ってた。
でも、日常生活であたしたちが考えてることっていつも同じ。
きっと今も、同じだったんだろうな。
『似てるよ、あたしら』
「うん」
『似すぎだよ』
「だよね」
梨沙は、フッと笑った。
だからあたしも少し笑った。