ひねくれ双子の険しい恋路
振り返ると、背の高い男子があたしの方を見ていた。
『……あたし?』
「それ以外誰がいるんだよ」
話し…かけられた……。
久しぶりに、話しかけられた。
梨沙は、ゲーム画面とにらめっこしてたから、全くこっちを見なかった。
『何?』
梨沙以外の知らない人と会話するなんて久しぶりだから、何か変な感じがした。
「昨日の5限何だった」
『あぁ、えっと……数学』
「どーも」
聞かれた事を答えた。
そして会話終了。
……そうか、日直だったんだ。
その男子が書いている日誌をみて気付いた。
“昨日の5限”ってことは、昨日の日直で書き忘れたのかな。