ひねくれ双子の険しい恋路
何より望んでた、
見分けてもらうことに。
なのに、どうして。
何を、
怖がってるんだろう。
「砂希?」
『あ、うん』
あたしは梨沙より一歩遅れた。
梨沙の背中を追いかけて体育館に入った。
―――大丈夫。
なんでもない。
あたしは昔と変わらずに、見分けてもらうことを望んでる。
「はい集合ー」
先生の声が体育館の真ん中で聞こえた。
人が集まっていく。
そこにあたしも混ざって梨沙と並んだ。
「今日は田口センセーが休みなので、自習。男女別れてバスケやっとけ」
この人、かなりゆるい口調。
でも、逆にそれが生徒にウケて人気だとか。
「はい、以上。ボールは倉庫にいっぱいあるから勝手に使っていいよー」
その言葉で、生徒が自由に動き始める。
男子は自習でもバスケはする。
ゲームみたいな感じで。
女子は、しない人が6割。
集まっておしゃべり。
残り4割は、ボールを持ってるだけ。
シュート練習してる人も少し。